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言葉の故郷は肉体だ。僕等の叫びや涙や笑いが、僕等の最初の言葉である事を疑う者はあるまい。
だが、言葉は拡散する。厄介な肉体の衣を脱いで、軽々と拡散する。
もう再び肉体を得ないのだとしたら、一体何処まで飛び去ればいいのだろうか。
詩人とは、その事に気附いた人間だ。
小林秀雄『オリムピア』
実生活を離れて思想はない。
しかし、実生活に犠牲を要求しないような思想は、動物の頭に宿っているだけである。
社会的秩序とは実生活が、思想に払った犠牲にほかならぬ。
その現実性の濃淡は、払った犠牲の深浅に比例する。伝統という言葉が成立するのもそこである。
小林秀雄『思想と実生活』
真理の名の下に、どうあっても人々を説得したい、肯じない者は殺してもいい、場合によっては自分が殺されてもいい。
ああ、何たる狂人どもか。そこに、孔子の中庸という思想の発想の根拠があった様に、私には思われる。
小林秀雄『中庸』

